どんな人にも生きる意味があるー生きる意味と自観法との関係

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ドリアン助川さんの小説「あん」

ドリアン助川さんの作品に「あん」という小説があります。

この小説が映画になりました。

永瀬正敏さん演ずる雇われ店主、千太郎が経営する「どら焼き店」に先日亡くなった樹木希林(きききりん)さん演ずる徳江という高齢の女性が働き口をもとめてやってきます。

「何とかお願いします。時給200円でいいですから」ということで、千太郎は雇ってみたが、なんと徳江ばあさんの作る「どら焼きのあん」はとてもおいしく、たちまちのうちに評判となり、それまで大して売り上げもなかった店が大いに繁盛するようになったのです。

それもつかの間、ある日を境に、客足がパタッと止まってしまったのです。

何が起こったのか?

昔は「らい病」と呼ばれ伝染する、ということで恐れられていた病気ですが、今はハンセン病と呼ばれています。

そのハンセン病ではないか、そんなうわさが徳江に立ってしまったのです。

しかし、実際には、徳江のその病気は、もうとっくに完治(すっかり治っている)しているのでした。

第一に、ハンセン病自体は、今では簡単に治る病気なのですが、一般には、いまだに漠然とこわい病気のように思われているのかもしれません。

とにかく、そういうわけで、人はその店から足が遠のいてしまったのです。

その結果、徳江は、そんな事情をなんとなくわかったと見えて、遠慮してその店をやめることにしたのです。

それから、しばらくたったある日、千太郎は、徳江に親しみを感じている中学生のワカナちゃんという子と一緒に徳江のいる施設を訪れます。

そこで徳江は、過去のその病への偏見にさらされた時に味わった深い孤独や悲しみ、それと同時に「あん」を作りつづけたきた楽しさと生きがいなどの話も打ち明けるのです。

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どんな人にも生きる意味がある

そして、最後に、徳江から、徳江の幸せの源(みなもと)となっている、ある考えを打ち明けられるのです。

「人はね、この世を観るために生まれているのよ」

一般に、人の役に立つことは確かにいいことかもしれない。

しかし、たとえ人の役に立つことが出来なかった人生であったとしても、そこにも必ず意味がある。

その人の自由な見方、感じ方でいい、この世を観る、そこに生まれてきた意味がある、というのです。

そう考える自分の中に、なぜそうなのかはわからないが、安らぎがあり幸福感があることがわかる。

だから、どんな人にも生きる意味がある、ということらしいのです。

徳江の言う意味がどういう理由でなのか、その深い根拠は示されていませんが、私は自観法という行法を通して、徳江が言う「人はね、この世を観るために生まれてきたのよ」のセリフには、深く思うところがあり感銘を受けました。

このことは、少しわかりづらいかもしれませんが、この徳江の文言には、人を生んだ”いのち”の意図が隠れているように私には思えるからです。

自観法では、常に流れ来たり流れ去っていく肉体我の本能、理性、感情の意識の流れをただ観る、一切の批判や審判(さばくこと)なしにただ観ます。

それは、我々肉体・個人・自我の背後にある、実は、無限なるいのちが変転する無常な有限の世界を観、味わう、ということを通じて「自分自身が何であるのか」を、より深く知って味わうために、この世を、この宇宙を創造したのかもしれない、という意味でもあります。

絶対界の絶対者という”いのち”がその影のような相体界を創造することで人となり、その相対者としてこの世を忍んでこの世に遊んでいる、それが人の一生のような気がするからです。

だから、徳江が言うように、「人はね、この世を観るために生まれてきているのよ」なのではないでしょうか。

だからこそ、どんな人にも生きる意味がある、のではないでしょうか。

そう考えると、やはり、ある安らぎと幸せ感をわたしも感じるのです。

そして、ロシアの世界的な作家であるドフトエフスキーの「すべては許されている」という有名な言葉もなんか理解できるように思うのです。

ということで、もしも「人はこの世を観るために生まれてきている」とすれば、「どんな人にも、どんな人生にも生きる意味がある」ということになります。

この徳江の考え方は、たしかに人にある心の安らぎを与えてくれるのです。

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コメント

  1. 野澤 より:

    大祓祝詞の「かくのらば・・・天津祝詞の太祝詞」への疑問から「古事記 祓い言葉の謎を解く」にたどり着きこちらへコメントさせて頂いております。

    過去記事に「消去とお祓いの具体的方法については、5月7日のセミナーで伝授したいと思います。」とありましたが、今後このような内容でのセミナーを開催されるご予定はありますか?